ロシアのニュース
2/82022
カテゴリー:ロシアのニュース
ロシアに関するニュース、ロシアメディアの報道するニュースを紹介します。
ニュースの内容は筆者が短くしています。
左上円内は最新更新日です。
記事内の赤字は誤植・誤表記と思われるもの、緑字は筆者加筆箇所です。
モスクワ・タイムズ: ナヴァーリヌィ「ロシア民主主義のための闘いは『長いマラソンだ』」(21.9.2021)
投獄中の反体制派アレクセイ・ナヴァーリヌィは、野党が下院議員選挙について不正があったと当局を非難したことを受けて、ロシアの民主主義への闘いは長い試合だったと述べた。選挙前の世論調査の結果は、統一ロシアの人気が歴史的低さであることが示していた。しかし、プーチンの統一ロシアは依然として下院議会の2/3を占めている。ナヴァーリヌィは「私たちはどこに住んでいようと一つの国にいる」「この闘いは短距離競争ではなく、長くて大変なマラソンだ」と自身のチームが運営するインスタグラムアカウントで述べ、サポーターらに闘いを続けるように呼びかけた。
AFP通信: ロシア最高峰エルブルース、登山者5人死亡(24.9.2021)
ロシア非常事態省は24日、最高峰エルブルース(Mount Elbrus)で暴風雪が発生し、登山者5人が死亡したと発表した。近年同山で起きた中で、最多の死者を出した事故の一つとなった。エルブルースは、ロシアの北カフカス地方にある休火山で、高さ5642メートル。ロシアと欧州を含めた地域で最も高い。一行は23日、標高5000メートルを超える地点で嵐に見舞われた。登山会社エルブルース・ガイドによると、一行にはプロのガイド4人が同行しており、残る14人は救助された。
モスクワ・タイムズ: プーチン タイガ小旅行のためショイグ国防相と合流(27.9.2021)
プーチン大統領はシベリアの森での3日間の狩猟・釣り旅行のため、セルゲイ・ショイグ国防相と合流した。クレムリンによると、プーチンは今月上旬にウラジオストクの極東の市で行われた経済フォーラムからのモスクワへの帰り道で-政権内部の側近のコロナ陽性を受けた大統領の自己隔離の前に-シベリアに立ち寄った。これは、熱心な野外活動家としてのイメージを強化したい大統領と、シベリアのトゥヴァ共和国出身の国防相の多くの共同旅行の最も最近のものだ。このペアでの外出は固定化してきている。
時事通信: アジアの人々「永遠に記憶」=対戦中の日本の行為 - ロシア大統領側近(28.9.2021)
ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記は28日、第二次世界大戦中の日本の行為に関し、日本が歴史の書き換えを試みても「アジア太平洋の人々の中に歴史の記憶は永遠に残る」と主張した。ソ連は同盟国との義務を果たすために対日参戦したと説明し、「日本軍の残虐行為をやめさせ、アジアの人々を解放する唯一の方法だった」と語った。大戦中の日本の行為に関する記憶が残っているため、「日本はいまだにアジアの中で見方を見つけるのが難しいのかもしれない」とも発言した。
イタルタス通信: 岸田文雄が日本与党の新党首に選出 第100代総理大臣に(29.9.2021)
自民党のウェブサイトの公式データによると、日本の岸田文雄前総理が自民党総裁選の決戦投票を制し、次期総理大臣となる。岸田文雄は自民党の議員の票の差で当選したが、河野太郎は地方の党員の間でより大きな支持を得た。
*ミスは赤字にしてそのまま載せています。
モスクワ・タイムズ: プーチン「クレムリン内の側近36人がコロナ陽性」(29.9.2021)
プーチン大統領は水曜日、政権の側近36人がワクチンの追加接種を時間通りに受けなかったため、新型コロナウイルスで陽性になったと述べた。プーチン大統領は側近の感染を受けた2週間の自己隔離を終えたばかりで、国営テレビの収録でトルコのエルドガン首相に自身は高い抗体レベルにあることを伝えた。
モスクワ・タイムズ: クレムリン 元グルジア大統領の亡命からの帰還は「サーカス」(1.10.2021)
ロシアのペスコフ報道官は金曜日、地方選挙に先立って元グルジア大統領のサアカシュヴィリが亡命先から帰国したことについて「サーカスだ」と述べた。サアカシュヴィリは逮捕の恐れがあるにもかかわらず帰国し、支持者らに政府に反対して街に出る(デモをする)ように呼びかけた。ペスコフ報道官は「サアカシュヴィリがいるところにはどこにでもサーカス(騒ぎ)がある」「このサーカスが、この紳士のいる国の国民を危険にさらさないことが重要だ」と述べた。
*筆者注/ サアカシュヴィリは、ロシアに近かったシュワルナゼ大統領の与党グルジア市民連合から政界入りを果たしたが、のちに汚職や不正などを理由に同大統領を批判、大統領選挙の前倒しや議会選のやり直しなどを求め、カラー革命のひとつであるバラ革命によって政権を取った。しかし、のちに拷問や汚職などを行い、国内で尋問・逮捕させる恐れがあったため、ウクライナに亡命していた。シュワルナゼ大統領を引きずり下ろしたことで、ロシアとは険悪な仲。ロシアはサアカシュヴィリのせいでグルジア(現ジョージア)というロシアにとっての緩衝地帯を失うという「騒ぎ」があったため「サーカス(騒ぎ)」と発言した模様。サアカシュヴィリは10月3日に逮捕された。
AFP通信: ロシアで1世紀ぶりロイヤルウエディング ロマノフ家の子孫(2.10.2021)
ロシアで1日、1917年の革命に伴うロマノフ朝崩壊後で初めてとなるロイヤルウエディングが行われ、欧州各国から王族が出席した。結婚したのは、ゲオルギー・ミハイロビッチ・ロマノフ氏(40)とイタリア人のレベッカ・ビルジニア・ベッタリーニさん(39)。式は、帝政時代の首都サンクトペテルブルクにあるイサク大聖堂で行われ、スペインのソフィア王太后やブルガリア元国王夫妻ら、外国から招待客数百人が出席した。ロマノフ氏は、ロシア帝国皇帝の後継者を名乗るマリヤ・ウラジーミロブナ・ロマノワ氏の息子で、スペイン・マドリードで生まれた。マリヤ氏は、ロシア最後の皇帝ニコライ2世のいとこのキリル大公の孫。ニコライ2世は1918年、アレクサンドラ・フョードロブナ皇后と5人の子どもと共に処刑された。127年前に行われたニコライ2世とアレクサンドラ皇后の結婚式が、ロマノフ家継承者最後の結婚式となっていた。英オックスフォード大学卒で、人生の大半をフランスで過ごしてきたロマノフ氏は、ベルギー・ブリュッセルの欧州議会で勤務していた際にベッタリーニさんと出会った。
AFP通信: ロシア女優と監督、ISSに到着 宇宙で初の映画撮影へ(6.10.2021)
ロシアの女優と監督を乗せた宇宙船が5日、カザフスタンから打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。米国に先んじて、史上初となる宇宙での映画撮影に臨む。女優のユリア・ペレシルドさん(37)とクリム・シペンコ監督(38)を乗せた宇宙船「ソユーズ(Soyuz)MS-19」は、予定通りカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。ベテラン宇宙飛行士のアントン・シュカプレロフ氏が手動操縦に切り替え、一行は予定よりも遅い日本時間5日午後9時22分にISSに到着した。一行はISSに12日間滞在し、『挑戦(The Challenge)』という題名の映画を撮影する予定。映画の筋書きや予算の詳細はこれまで明かされていなかったが、ロシア国営宇宙企業ロスコスモスによると、宇宙飛行士を救うためにISSに派遣される女性外科医を描く内容という。
AFP通信: ロシア刑務所で性的虐待か 映像公開で当局が調査(6.10.2021)
ロシア南西部サラトフにある刑務所の診療所内であった性的虐待行為を撮影したとされる動画が公開されたことを受け、同国の当局は5日、調査を実施すると発表した。ロシア各地の刑務所に情報源を持つ活動家団体「グラグ・ネット(Gulagu.net)」は、ロシア各地の刑務所で行われた虐待行為を撮影したとされる動画1000本以上を入手。4日夜に公開した映像には、サラトフにある刑務所内の結核患者を治療する診療所で、裸の男性が棒のようなもので暴行を受ける様子が捉えられていた。男性はベッドに縛られ、痛みのあまり叫び声を上げている。
AFP通信: NATO、ロシア代表部8人を追放 スパイと認定(7.10.2021)
北大西洋条約機構(NATO)は、ブリュッセルに置かれているロシアのNATO代表部の外交官8人について、スパイを意味する「未申告ロシア情報官」であるとして、資格を剥奪した。NATO当局者が6日、明らかにした。また、ロシア代表部の要員数を20人から10人に半減することも決まったという。代表部要員の半減は今月末に発効する予定で、NATO加盟30か国すべての承認を得ているものとみられる。当局者は「NATOの対ロシア政策に変わりはない。われわれは、ロシアの攻撃的行動を受け、抑止力と防衛力を強化してきた。同時に、意味のある対話は常に受け入れる姿勢だ」と語っている。
ノーヴァヤ・ガゼータ: 私たちは真実のために戦っている(9.10.2021)
ノルウェーのノーベル賞委員会は、2021年のノーベル平和賞を「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙の編集長ドミトリー・ムラトフと、フィリピンのジャーナリスト、マリア・レッサに授与した。ムラトフと「ノーヴァヤ」紙はロシアの読者によく知られているが、マリア・レッサの業績は我が国ではあまり知られていなかった。レッサは約20年東南アジアでCNNの特派員として働いたあと、地元のABS-CBNのニュースサイトを率いていた。ドゥテルテ政権下 ―特に彼が「麻薬との戦争」を宣言してから― でマリア・レッサは一貫して彼を批判し続けた。サイト「ラップラー」では、取締中の警察による権力の乱用や、大統領による麻薬使用者への非人道的な扱いのサポート(筆者注/ 黙認もしくは推奨)に関する資料が繰り返し公開されていた。
AFP通信: ロシアのコロナ死者、8月は4万9000人超 統計局(9.10.2021)
ロシア連邦統計局は8日、同国の8月の新型コロナウイルスによる死者数が4万9389人だったと発表した。政府発表の2倍以上に当たる。ロシアの新型ウイルスによる累計死者数は、統計局発表で40万人超となった。政府発表では8月の死者数は2万4661人だった。今回の統計局の発表は、実情が政府発表よりもはるかに深刻であることを示している。AFP通信: ロシア中部で22人搭乗の航空機墜落、16人死亡 非常事態省(10.10.2021)
ロシア中部タタールスタン共和国で10日、パラシュート・クラブのメンバー22人を載せたL410型機が墜落し、16人が死亡した。ロシア非常事態省の、メッセージアプリTelegram公式チャンネルでの発表によると、6人が救助され16人が遺体で収容された。インターファクス通信によると、事故機はスポーツ・防衛団体を自称する「ロシア陸海空軍後援会(DOSAAF)」が所有している機体。チェコ製のL410機は、今年に入ってすでに2回の死亡事故を起こしている。
AFP通信: 密造酒の死者34人に ロシア当局、酒を食品と交換して対応(11.10.2021)
ロシアで毒性の強いメタノール入りの密造酒を飲み死者が出た問題で、これまでに亡くなった人は34人に上った。当局は10日、アルコール飲料を食品と交換していると発表した。2100万人が最低生活水準以下で暮らすロシアでは、安価な酒の代用品による死者が後を絶たない。首都モスクワの南東約1500キロ、ウラル山脈の南部に位置するオレンブルク州では先週、67人が密造酒を飲んで倒れた。国営タス通信が報じた地元当局の発表によると、うち34人が死亡した。検査の結果、倒れた人はメタノール入りの酒を飲んだことが分かった。メタノールはアルコール飲料に通常含まれているエタノールとは異なり、毒性が強く、少量を口にしただけでも失明の恐れがある。タス通信によると、密造酒がどれだけ流通しているか不明なため、当局はオレンブルク東部の住民を対象に、「質が疑われるアルコール飲料」と引き換えに地元スーパーマーケットの食品を提供している。交換される食品は「アルコール飲料の数倍」の価格だという。
ロイター通信: ロシア 親ナヴァーリヌィ活動家を「過激主義」で逮捕 2ヶ月間投獄(11.10.2021)
ロシアの裁判所は水曜日、クレムリン批評家アレクセイ・ナヴァーリヌィの同調者である活動家がナヴァーリヌィネットワークに対する新たな「過激主義」事件での逮捕者第1号となったあと、彼女を2ヶ月間投獄することとした。ウファ市の裁判所が過激派組織創設の容疑でリリヤ・チャニシェヴァを1月9日までの2ヶ月間拘留すべきとの判決を下したと弁護士のウラジーミル・ヴォローニンがロイターに伝えた。
AFP通信: ロシアのコロナ死者、9月は政府発表の2倍近く 統計局(30.10.2021)
ロシア連邦統計局(Rosstat)は29日、同国の9月の新型コロナウイルスによる死者数が4万4265人だったと発表した。政府発表の2倍近くに当たる。統計局によると、ロシアの新型ウイルスによる累計死者数は約45万人となった。1か月の死者数が最も多かったのは7月で、5万人以上だった。政府発表では9月の新型ウイルスによる死者数は2万4031人だった。政府は検視後に新型ウイルスが原因と確認された死者のみをカウントしているが、統計局はより広い定義で新型ウイルスによる死者数を集計している。ロシアでは29日、新型ウイルスによる死者が新たに1163人確認された。
AFP通信: シベリアで輸送機が着陸失敗・炎上、少なくとも5人死亡(4.11.2021)
ロシア極東シベリアで3日、旧ソ連製の輸送機が着陸に失敗して炎上し、搭乗していたとみられる5~7人全員が死亡した。地元当局が発表した。当局によると、シベリア南部イルクーツク郊外で、着陸進入中だったアントノフ12(An12)輸送機がレーダーから消えた。救助隊が現場に急行したところ、機体は炎上していたという。ロシア連邦航空局によると、同機はベラルーシの企業が運航しており、極東チュコト自治管区に積荷を届けた後、基地に戻るところだった。ベラルーシ運輸・通信省は、同機にはロシア人2人、ウクライナ人2人、ベラルーシ人3人の計7人が搭乗し、悪天候の中で着陸をやり直す「ゴーアラウンド」を行っていたと説明している。旧ソ連時代に製造されたアントノフ機は、現在も旧ソ連構成国で民間や軍の輸送に使われているが、近年は事故が相次いでいる。
AFP通信: ロシア爆薬工場で火災 16人死亡、1人不明(22.10.2021)
ロシア首都モスクワの南東300キロに位置するリャザニ州にある爆薬工場で22日、大規模な火災が発生し、16人が死亡、1人が行方不明になっている。地元当局が発表した。現場は、同州レスノエ村にある工場。死者数は当初15人とされていたが、当局は後に、重度のやけどを負った男性が搬送先の病院で亡くなったと説明した。非常事態省によると、出火時刻は午前8時22分(日本時間午後2時22分)。同省は、工場での「技術工程と安全対策上の規則違反」が火災の原因になった可能性があるとの見方を示している。
モスクワ・タイムズ: FSB関係者のロシア外交官がベルリン大使館前で遺体で発見(5.11.2021)
ロシア連邦保安庁(FSB)の関係者とみられるロシアの外交官が、ベルリンにあるロシア大使館前で遺体で見つかった。上層階の窓から転落した模様だ。ドイツ誌シュピーゲルが伝えた。伝えられたところによると、ベルリン警察が10月19日に大使館前の歩道で35歳の氏名不詳の男性の遺体を発見した。故人は公式には二等書記官として記載されているが、ドイツ治安機関はFSBの覆面工作員とみている。
BBC ニュース: ロシア鉱山:シベリアの事故で数十人が死亡(26.11.2021)
死者の中には5人の救助隊員も含まれているが、6人目は生存が確認され、重症で病院に運ばれた。リストパシュナヤ炭鉱で木曜日に、換気シャフト内で炭塵が発火して爆発が起こった。数十人の行方不明の鉱山労働者を救出しようとして救助隊員達は窒息死した。事故のあった木曜日の早朝、モスクワから約3500km東にあるこの鉱山には287人の労働者がいた。多くの労働者はその場から脱出し、49人が病院に運ばれ、そのうち何人かは煙を吸い込んでいた。メタン濃度が高かったため、救助を中断しなければならず、数十人が閉じ込められた。当局は、メタンガスの爆発により、鉱山内に煙が充満し、犠牲者は酸素不足と高濃度の有毒ガスによって死亡した。
AFP通信: シベリア炭鉱事故、死者52人に 救助隊員6人も(26.11.2021)
ロシア・シベリアの炭鉱で25日に発生した事故について、現地メディアは死者が52人に達したと報じた。現場はケメロボ州べロボ近郊のリストバシュナヤ炭鉱。これまでに安全配慮義務違反の容疑で炭鉱幹部が拘束された。ロシアの複数のメディアは地元当局の情報として、炭鉱作業員と救助隊員6人を含む計52人が死亡したと伝えた。国営タス通信(TASS)は救急センター関係者の話として「暫定情報では、坑内に生存者はいない」と報じた。25日朝、坑内に煙が充満した時、現場には285人がいた。大半は避難したが、当局は作業員35人が行方不明だと発表していた。事故原因はまだ分かっていないが、通気孔内の粉じんに火がつき、煙が充満したとの報道もある。国営ロシア通信(RIA)は検察当局の見方として、火花がメタンガスに引火し、爆発した可能性があると伝えた。捜索救助活動は開始から数時間後、当局が爆発の危険性を警告したために中断された。救助隊員は酸素不足に陥ったとの報道もある。インタファクス通信によると、地元当局は隊員の死因を窒息死としている。
アル・ジャジーラ: ロシアのウクライナ侵攻の脅威はどのくらい現実的か(3.12.2021)
早くも1月にはクレムリンがウクライナで「短期間で勝利を得た」戦争をけしかけるかもしれないと、ある高名な軍事専門家はアルジャジーラに語った。世界の指導者と国際機関がそのような紛争の可能性について検討しているためだ。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナに切れ込むドニエプル川まで兵力を到達させ、クリミア半島に隣接する陸路を占領し、2014年に遮断され慢性的な干ばつを引き起こしている乾燥した半島への給水を再会したいと考えている、と引退した元中尉でありウクライナの元首席補佐官であるイホル・ロマネンコは語った。
電撃戦は、首都のキエフの東にあるウクライナとの国境、およびウクライナ本土の南にあるクリミアに現在配備されている数万人のロシア軍人を巻き込むだけではない。それは、キエフの北にある、モスクワと親しいベラルーシや、ウクライナ南西国境に広がる(ソ連から)離脱した親モスクワのモルドヴァ人地域トランスニストリアからのロシア軍の侵略も含まれている可能性がある。「(ロシアにとって)最も効果的な方法は、全ての側面から同時に軍事行動を起こすことだ」とロマネンコはアルジャジーラに語った。
ウクライナ当局は、ロシアがここ数週間で最大11万5000人の兵力を国境近くに結集させたと述べている。
ロマネンコによれば、不満を抱いたオリガルヒやクレムリンに近い政治家、ウクライナ東部と南部の多数のウクライナ人ロシア語話者たちによる国内の「挑発」が起こる可能性がある。その一方で、ウクライナのほぼ全ての家とアパートを暖めている天然ガスの供給を、モスクワは停止している。
AFP通信: ロシア、グーグルとメタに巨額罰金 計140億円超(25.12.2021)
ロシアの首都モスクワの裁判所は24日、規制当局からのコンテンツ削除要請を無視したとして、米グーグルに過去最高となる罰金72億ルーブル(約112億円)、フェイスブックから社名を変更した米メタに罰金19億ルーブル(約29億円)をそれぞれ科した。
ロシアは近年、欧米のSNS大手に対する締め付けを強化。ウラジーミル・プーチン大統領は、これらの企業が政府並みの影響力を持つようになってきていると指摘している。ロシア政府は、コンテンツの管理不足や内政への干渉を理由に、欧米IT企業に対して繰り返し法的措置を取ってきた。
これまでメタとグーグルに対する罰金は数千万ルーブルにとどまり、数十億ルーブル規模には達していなかった。規制当局は、グーグルとメタが、宗教的憎悪を扇動し「過激派やテロ組織」の見解を助長するコンテンツの削除を求める「複数の要請を無視」するなどの違反をしたと主張している。
ロシア政府はここ数年間にわたり、未成年者の保護や過激派の取り締まりを名目に、反対派に対する締め付けや国内のインターネット管理を強化してきた。また、国外との通信を遮断・制限し、独立運用が可能な「主権インターネット」の開発にも着手している。
反政府派は、当局が独立系メディアを締め付け、ロシアにおける表現の自由の最後のとりでと考えられているインターネットを標的にしていると非難している。
AFP通信: ロシア最高裁、人権団体メモリアルに解散命令(29.12.2021)
ロシア最高裁は28日、同国で最も著名な人権団体「メモリアル」に解散を命じた。同団体は、ソ連崩壊後の民主化を象徴する存在で、過去30年間にわたって旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン時代の大粛清について記録してきた。
同国では今年、ウラジーミル・プーチン政権批判の急先鋒であるアレクセイ・ナワリヌイ氏の収監に続き、人権団体や独立メディアに対する歴史的な抑圧が相次いでいる。だが今回の裁判所命令はその中でも特に際立っており、数年前には考えられないものだった。
裁判で検察側は、同団体の中核組織「メモリアル・インターナショナル」が、海外から資金を得ている「外国の代理人」であると出版物に明記することを怠ったほか、ソ連とその勝利の記憶を汚し「ナチスの犯罪者」を復権させているとも主張。アラ・ナザロワ判事は、メモリアル・インターナショナルとその地域支部に解散を命じた。
同団体は、ノーベル平和賞を受賞したアンドレイ・サハロフ氏らソ連の反体制派が1989年に設立。プーチン大統領は、同団体がテロ組織や過激派組織を擁護していると非難していた。
AFP通信: ロシア、ウクライナ国境付近の演習終了(26.12.2021)
ロシア国防省は25日、ウクライナ国境付近で1万人超の部隊が1か月間にわたり行っていた軍事演習が終了したと発表した。
国防省によると、南部軍管区の部隊はロストフ州、クラスノダール地方、2014年に旧ソ連構成国のウクライナからロシアが併合したクリミア共和国などの南部地域で演習を行っていた。
演習に参加していた部隊は撤収を開始し、待機部隊が年始休暇中の対応を担うという。
西側諸国は、ロシアが冬の間にウクライナへの侵攻を計画しているとして、国境付近に10万人規模の軍部隊を集結させたことを非難してきた。ウクライナ政府の推計によると、ロシアが国境付近に配備した部隊は10月時点の約9万3000人から、現在は10万4000人に増加している。
AFP通信: ロシアの侵攻に備えよ ウクライナ予備役訓練(29.12.2021)
ウクライナの首都キエフ郊外の森で、迷彩服に身を包んだ予備役にロシア兵役が襲いかかる。予備役はカラシニコフ銃の模型で応戦。周りでは模擬発煙弾が発射される。
緊急時に招集される予備役には、建築家や研究者、学生などさまざまな市民が登録している。
19歳の大学生、ダニール・ラリンさんは休憩中にAFPの取材に応じ、「敵が攻めてきたら(中略)何をすべきか国民全員が知っておくべきだ」と話した。ラリンさんら50人は12月のある日、ロシアの侵攻を想定した訓練を行うため、キエフ郊外の閉鎖された旧ソ連時代のアスファルト工場に集まった。
ウクライナ政府によると、ロシアは国境付近に約10万人の部隊を集結させている。大規模侵攻への懸念が増す中、ここ数か月で新たに数十人が予備役に志願し、現在10万人近くまで増えている。ウクライナ軍の総兵力は21万5000人。ロシアの支援を受ける分離派が支配する2地域で、2014年から戦闘が続いている。これまでに1万3000人以上が犠牲となった。
スプートニク: ロシア 新型コロナの免疫有無を皮膚で確認できるツールを開発(24.1.2022)
ロシアは、新型コロナウイルスに対する免疫の有無を皮膚の状態から確認できるツール「CoronaDerm PS」を開発した。ロシア科学アカデミー会員で、ロシア連邦消費医者権利保護・福祉監督庁の疫学・微生物学研究所のアレグ・トトリャン所長が明らかにした。
「CoronaDerm PS」は、新型コロナの抗原を注射するタイプのもの。これを注射することで体内では抗体が産出され、72時間後に細胞性免疫の有無を確認できる。結果は皮膚の状態から確認でき、陽性であれば細胞性免疫があることを示し、陰性であれば免疫がないことが分かる。トトリャン氏によると、陰性は、ワクチン接種や追加(ブースター)接種が必要であることを示しているという。同氏は、「ワクチン接種を受けた人の中には、血清による抗体検査で陰性が判明、つまりセロコンバージョン(抗体の産出)が起きていないのになぜか発症しない人がいる。細胞性免疫を確認するツールがあれば、この謎に対する答えが見つかると思う」と語っている。
トトリャン氏によると、この検査方法をルーティン化する必要があるという。
研究者らは、すでに「CoronaDerm PS」の非臨床試験(臨床試験の前段階となる試験)を実施している。
スプートニク: 駐日ロシア大使、北海道議会の指導部と会談、交流の深化について協議(29.1.2022)
フェイスブックの在札幌ロシア領事館のアカウントページによれば、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使は28日、北海道議会の指導者らと面会した。両者は、ロシアと日本の議会レベルでの交流を再開、維持していく方法について協議した。
一方、在日本ロシア連邦大使館もフェイスブックのアカウント上に投稿し、地理的にロシアにもっとも近い日本の地域の指導部との間で、極東、モスクワ地方、サンクトペテルブルクをはじめとするロシア連邦の構成主体と北海道との関係発展に向けた、建設的かつ興味深い、深みのある対話が行われたと記した。
また投稿では、日本の代表者らがロシアの地域との交流が内容の濃いものであるとして高く評価した点が指摘され、とりわけ、経済、医療、教育、スポーツ、青年交流、科学・技術、寒冷地問題、漁業といった分野での互恵的協力関係の発展に興味があると強調されている。
AFP通信: ロシア人口、21年は100万人減少 ソ連崩壊後で最悪(29.1.2022)
ロシア連邦統計局は28日、同国の人口が2021年に100万人以上減少したと発表した。減少幅はソビエト連邦崩壊以後で最悪となった。
ロシアで長年続く人口減少傾向は、新型コロナウイルスの流行によって悪化。統計局によると、国内初の感染者が確認されて以降、66万人以上が新型ウイルスで死亡した。人口は2020年にも50万人以上減少している。統計局が毎月発表している新型ウイルス関連の死者数は、政府ウェブサイトでの発表数を大幅に上回る。政府サイトの統計は、病理解剖で新型ウイルスが主な死因と確認された人のみを数えており、累計死者数は32万9443人にとどまっている。
この統計の相違は、政府が新型ウイルスの深刻さを軽視しているという批判に拍車をかけている。ロシアの感染者数は他国と比べて非常に多く、ワクチン接種の遅れや緩い規制、公共の場でのマスク着用義務違反の横行などから、流行を抑えられずにいる。
新型ウイルスによる死者は、過去30年間続く低出生率と平均寿命の短さによる人口危機を悪化させている。出生率低下の背景には、現在子どもを持ち始めている世代が、ソ連崩壊後の経済不安で出生率が急落した1990年代生まれであることがある。女性1人が産む子どもの平均数は約1.5人で、人口維持に必要な2.1人を大きく下回っている。
AP通信: ロシア ウクライナ危機でアメリカの提案への回答を否定(1.2.2022)
ロシア当局は火曜日、ウクライナ危機の沈静化に向けてロシアがモスクワからワシントンに所管を送ったとする報道を否定した。両国が国連の安全保障会議の場で鋭い非難を交わした後、高官レベルの一連の会談がモスクワとキエフで進行中だった。
クレムリンは、ウクライナがNATOのブロックに加盟しないこと、NATの兵器のロシア国境近くへの配備が中止されること、そしてNATO同盟軍が東ヨーロッパから撤退することのアメリカとNATOからの法的保証を求めている。
アメリカとNATOに考慮の価値なしと拒否されたこの要求は、ウクライナ国境近くに推定10万人のロシア軍が増強されたことによるロシアのウクライナ侵攻の脅威の中で出された。ロシアと西側の交渉はこれまでのところ何の進展もなかった。
スプートニク: ウクライナと米国の電話首脳会談開催、対露制裁を協議(1.2.2022)
バイデン大統領は記者団に対し、ゼレンスキー大統領と生産的な会談を行ったとコメントした。その上で、外交上の綿密な連携を継続すると表明した。ホワイトハウスはロシアがウクライナに侵攻する場合に備え、ロシア政府の高官、及びその家族を対象とした制裁を用意している。ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は氏名を公表しなかったものの、現地メディアは先に制裁対象のリストを報じていた。先に英国のエリザベス・トラス外相はロシアの財閥が英ロンドンで所有する財産を差押さえる可能性を指摘していた。この制裁法案は2月10日頃に発表される見通し。なお、制裁対象のリストは米連邦議会で用意されている様々な法案に記載されている。先にバイデン大統領は制裁対象にウラジミール・プーチン大統領が含まれる可能性があると発言していた。
アル・ジャジーラ: プーチン=アメリカはロシア封じ込めのためウクライナを道具として利用(1.2.2022)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアと西側が、急速に拡大するウクライナをめぐる安全保障上の危機に対する解決策を見つけ出すだろうと述べた。一方でワシントンがロシアを抑制するための道具としてウクライナを利用していると非難した。
プーチン氏は、モスクワでのハンガリー首相ヴィクトル・オルバーンとの会談のあと、ロシアのウクライナ侵攻の脅威に拍車がかかるこの危機におけるここ数週間での最初の公式発言として記者団に対し、「ロシアの根本的な懸念が無視されたことは明確だ」と述べた。
「アメリカはウクライナの安全保障に関してあまり関心がないように思われる。...メインの課題はロシアの発展を抑制することだ。」とプーチン氏は述べ、ウクライナをこの目的達成のための「道具」と呼んだ。
モスクワ・タイムズ: プーチン=西側はロシアの懸念を無視しているが、(我々は)解決を望んでいる(2.2.2022)
ロシアのプーチン大統領は火曜日、西側がロシアの安全保障上の懸念を無視し、ロシアを封じ込める道具としてウクライナを利用していることを非難した。一方で負の連鎖が続く緊迫した状況を終わらせる解決策が見つかることを望んでいるとも述べた。プーチン氏は、クレムリンがワシントンとNATOからのモスクワの安全保障に関する要求に対する返答を分析していたが、その返答は満足のいくものではなかったと述べた。
プーチン氏は、NATOのさらなる拡大とロシア国境近くへの攻撃型施設の配備、およびNATOの1997年以前の軍事拠点への回帰に対する法的拘束力をもった保証を求めるロシアの要求を繰り返し述べた。
スプートニク: ハンガリー首相、「露大統領にウクライナに対する攻撃性ない」(2.2.2022)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と協議したハンガリーのヴィクトル・オルバン首相は、協議の席上、プーチン大統領がウクライナ情勢をめぐり、過激な行動を取るような様子は見られなかったことを明らかにした。
「ロシア24」のパベル・ザルビン記者から、「ロシアがウクライナを侵攻する可能性はあると思うか」と問われたオルバン首相は、協議では、プーチン大統領側にそのような行動を起こすという意向は感じられなかったとし、大統領は非常に落ち着いていたと述べた。またオルバン首相は、「我々は協議を行う必要がある。そのための時間は数週間ある。それまでに急激な変化はないだろう」と付け加えた。ウクライナと西側諸国は、最近、ロシアがウクライナ国境付近での「軍事行動」を強化しているとして、懸念を表明している。ロシアはこうした批判を繰り返し否定し、ロシアはどの国も脅かしておらず、どの国も攻撃するつもりはないとし、「ロシアによる侵攻」という言葉は、NATO(北大西洋条約機構)の軍備をロシア国境付近で展開するための口実に他ならないと述べた。
スプートニク: ロシア国民はウクライナとの戦争を望んでいない=ゼレンスキー大統領(2.2.2022)
ロシア国民はウクライナを相手にした戦争は望んでいない。ボリス・ジョンソン英首相との会談後に行われたブリーフィングでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が発言した。
ジョンソン首相との会談後に行われたブリーフィングでゼレンスキー大統領は、ウクライナとの国境付近には10万人以上のロシア兵が展開していると発言した上で、次のように指摘した。「撤退について言えば、我々はロシアが私たちの国境から部隊を引き上げる瞬間を心待ちにしている。これは重要なシグナルであり、根本的に言って、ロシア国民が事態のエスカレートを望んでいるのか、そうではないのかという質問に対して、ロシア連邦が示すことができる唯一の誠実な答えとなる。大事なのは言葉ではなく、こうした力強く重要な一歩を踏み出すことである。それは心理的にウクライナと欧州連合の国民にとって重要であるだけでなく、ロシア国民にとっても同様である。私は知っているが、彼らはウクライナを相手に戦って命を落とすことを確実に望んではいない。」
スプートニク:対露制裁は諸刃の剣、ロシア側の反発必至=露国連大使(2.2.2022)
ネベンジャ国連大使はマスコミで日々報じられている制裁発動の可能性について言及した中で、これはロシアだけでなく、制裁を科す側にも損害をもたらすほか、ロシア側からの対抗措置を呼び起こすものとなるとして欧米を牽制した。
またロシア側は欧州にこれまで天然ガスを安定して供給しており、供給停止を政治の切り札として利用したことは一度も無いと強調した。
ドイツ政府が天然ガスのパイプライン「ノードストリーム2」のプロジェクトを中止する用意があると牽制している点について、これはあくまでも経済的なプロジェクトであり、ドイツとロシアの経済関係によって調停される問題に他ならないと説明してコメントを避けた。
スプートニク: ウクライナのNATO加盟は近く実現せず、コンセンサスは未形成=NATO事務次長(5.2.2022)
ウクライナが近く北大西洋条約機構(NATO)に加盟することはない。NATOのミルチャ・ジョアナ事務次長が表明した。ジョアナ事務次長は「フランス24」テレビのインタビューに応じた中で、「ウクライナが近くNATOに加盟するとは誰も言っていない、ウクライナには国内改革を大いに進める必要がある」とコメントした。事務次長によるとウクライナがNATOに加盟するためには、NATO内でコンセンサスを形成する必要があるものの、現時点でそうしたコンセンサスは形成されていないという。
ロイター通信: ロシア、新たな軍事行動起こさず プーチン氏が同意と仏当局者(8.2.2022)
仏ロ首脳会談後にフランス政府当局者が匿名を条件に明らかにしたところによると、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ周辺で当面、新たな軍事行動を起こさないことに同意した。ウクライナとの国境付近のベラルーシで軍事演習に参加している部隊を演習終了後に撤退させることにも同意したという。
プーチン大統領はフランスのマクロン大統領と6時間にわたって会談。プーチン氏は会談後の会見でこうした譲歩の姿勢は示していなかった。ロシアが実際にこうした確約をしたのか、ロイターは確認が取れていない。
フランス政府当局者によると、会談ではマクロン大統領が「戦略的な問題について対話を開始」することに同意。ただ、対話の詳細には踏み込まなかった。会談では、「ノルマンディー・フォーマット」と呼ばれる仏独とロシア、ウクライナの4カ国による高官協議の下で、外交を強化することでも合意が成立したという。